生理中のからだのだるさには、ホルモンの変化や鉄分不足など、いくつかの理由があります。これらの情報を知ることで、生理中のからだの変化を理解でき、どう対処すればいいのかが見えてきます。では、生理中におこるからだの不思議な変化について、一緒に学んでいきましょう。
生理中のだるさ、その謎に迫る
ホルモンの影響 - 生理周期とからだの変化
生理周期にはいくつかの段階があり、それぞれでからだが異なる反応を示します。生理が終わった後の卵胞期は卵胞ホルモンの分泌が多くなり、からだは比較的元気を感じやすい時期です。
しかし、排卵期に入ると、ホルモンのバランスが変わり始め、からだの状態が少し不安定になることがあります。そして、黄体期には黄体ホルモンの分泌が増え、体温が上がり、だるさや疲れを感じやすくなります。生理が近づくと、これらのホルモンの分泌は減少していきますが、人によってはだるさなどの月経前症候群(生理前症候群)(PMS)が現れることもあります。
こうした生理周期におけるからだの変化を理解することは、不調の備えにも役立ちます。生理周期も意識しながら、生理中の自分のからだを大切にしてくださいね。
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生理周期によってからだやこころの状態がわかるようになるから、生理日をチェックするのは大切なこと。自分の生理周期を知っておくと、いろいろ準備ができるから安心!
鉄分不足が引きおこす疲労感
生理中は鉄分が失われるため、鉄分不足による疲れを感じることがあります。鉄分不足は、からだにとって重要な酸素を運ぶヘモグロビンが十分に作れなくなることで、疲れやすくなったり、集中力が落ちたりする原因になります。
特に女性の場合、生理中に失われる血液に、多くの鉄分が含まれており、貧血になりやすいのです。生理が8日以上続く過長月経や、通常よりも多い出血がある月経過多では、さらに多くの鉄分が失われるため、強い疲労感のほか、頭痛や肌荒れ、倦怠感などの症状を引きおこす可能性もあります。これらの症状がある場合は、医師の診察を受けるようにしましょう。
また、バランスのよい食事や十分な睡眠、適度な運動を心がけることで、鉄分不足による疲労感を和らげることができます。
水分バランスの乱れとからだの重だるさ
生理中はからだが適切に水分を調節できず、水分バランスの乱れがおこります。生理周期によって変わるホルモンのレベルが、からだの水分保持に影響を与えるため、むくみやだるさを感じやすくなるのです。
特に、黄体ホルモンには体が水分を保持しやすくする作用があります。そのため、黄体ホルモンが増える黄体期には体内の水分量が増えてしまい、むくみやすくなってしまうのです。このように、ホルモンの変化によって生理中は特に水分バランスが乱れやすくなっています。生理中の水分バランスを整えるためにも、まずは水分を適切に摂取することが大切です。
水分バランスを整え、からだの重だるさを軽減するために、以下の点を意識しましょう。
- 水をこまめに飲む
- 温かい飲み物やハーブティを取り入れる
- バランスのよい食事を心がける
生理痛とだるさの関係
生理痛とだるさは、実はとても深く関係しています。生理痛は、子宮が経血を外に出すために収縮するときにおこる痛みです。この収縮を助けるプロスタグランジンという物質が多くなると、痛みが強くなります。そして、この痛みがからだ全体に影響を及ぼし、だるさを感じさせるのです。生理痛がひどいと、からだが疲れやすくなり、普段の活動も大変に感じられます。
また、生理痛によるストレスで自律神経が乱れることで、からだのだるさが増すことも…。生理痛を和らげることで、だるさも軽減されるため、温かい飲み物を飲む、ゆっくり休む、適度な運動をするなど、無理をせずにからだをいたわることが大切です。
こころの状態がからだに影響する?
生理中は、こころの状態がからだに与える影響が特に顕著になります。ストレスや不安などの心理的な要因は、ホルモンバランスに影響を与え、生理痛を悪化させたり、だるさを感じさせたりすることがあります。こころが穏やかでないと、からだもリラックスできず、生理中の不快感が増すこともあるのです。
逆にリラックスしていると、生理痛が軽減されたり、心地よい気分になることもあります。このように、生理中はこころとからだが密接に連動しています。こころのケアは、生理の不快感を和らげる方法のひとつであることを、覚えておきましょう。
まとめ
生理中のだるさはホルモンの変化、鉄分不足、水分バランスの乱れ、生理痛、こころの状態によって引きおこされることがわかりました。だるさを感じる原因をきちんと理解することは、生理中のからだをケアする方法を見つける手助けとなります。ぜひ、これらの情報を参考に、自分自身にあった、よりよいケア方法を見つけてくださいね。
監修:
東京都済生会中央病院 産婦人科 西山紘子先生
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