生理前や生理中に便秘になるのは、からだの中でホルモンバランスが変化するからです。生理には「卵胞ホルモン」と「黄体ホルモン」という2種類のホルモンが関係していて、生理前には黄体ホルモンが増えます。
黄体ホルモンは妊娠しやすいからだをつくるホルモンで、腸の動きをにぶらせ、からだの中に水分や栄養素などをためこみやすくするはたらきがあります。便を外に押し出す力が弱くなるうえ、便が腸の中にとどまることで硬くなり、外に出しづらくなるのです。
生理前や生理中に便秘になるのは、からだの中でホルモンバランスが変化するからです。生理には「卵胞ホルモン」と「黄体ホルモン」という2種類のホルモンが関係していて、生理前には黄体ホルモンが増えます。
黄体ホルモンは妊娠しやすいからだをつくるホルモンで、腸の動きをにぶらせ、からだの中に水分や栄養素などをためこみやすくするはたらきがあります。便を外に押し出す力が弱くなるうえ、便が腸の中にとどまることで硬くなり、外に出しづらくなるのです。
便秘は、体内にいらないもの(排せつ物)をためこんでいるので、からだにとっていい状態ではありません。便秘が続くとどんな不調が出てくるかを見てみましょう。
便秘が続くと、便が腸の中にたまってお腹が張り、一日中スッキリしない、スカートやパンツがきつく感じる、食欲がなくなるといった変化がおこります。お腹に痛みを感じて、日常生活に支障が出ることもあります。
便がたまるとお腹の中で悪玉菌が増えるため、腸内環境が荒れてしまいます。悪玉菌から発せられた有害な物質が、腸からからだの中に吸収されることでニキビや肌荒れを引き起こしやすくなります。
腸内環境と自律神経は深い関わりがあり、どちらかが乱れるともう片方も不調が現れやすくなります。自律神経が乱れるとイライラしやすくなり、ストレスでよけいに便秘が悪化してしまうこともあるのです。
こころの状態は、精神を安定させるはたらきのある「セロトニン」という物質に左右されます。腸ではセロトニンのもとがつくられていますが、便秘になるとうまくつくられなくなり、セロトニンが足りなくなってしまいます。そのせいでこころが不安定になり、イライラしてしまうわけですね。
便秘によって腸内に悪玉菌が増えると免疫力が低下し、風邪をひきやすくなるといった影響があります。長らく便秘が続く場合は病気のリスクもあるので注意しましょう。お腹の中で便がカチカチになり、下剤を飲んでも出せなくなる「糞便塞栓症」になるケースも。カチカチの便を無理に出そうとすれば肛門が切れて、痔にもなりかねません。
または、腸閉塞や大腸がんなどの病気が便秘の原因となっていることもありますので、便秘が続くときは自己判断をせず医師に相談しましょう。
生理前や生理中の便秘を解消するには、からだを動かして腸を刺激することが大切です。ストレッチや軽い運動をして、便秘とさよならしましょう。
まずは、イスに座りながらできる「ウエストひねり」を紹介します。おうちでも学校でもやりやすいストレッチなので、ちょっとした時間を使って取り組んでみてくださいね。
❶足の裏を床につけてイスに浅く腰かける
❷背もたれを持って息を吐きながら腰から上を左向きにひねる
❸息を吸いながら正面に向き直る
❹背もたれを持って息を吐きながら腰から上を右向きにひねる
❺2~4を何回か繰り返す
背筋をのばして足の裏をしっかりと床につけ、下半身はなるべく動かさないのがポイントです。
次は、立ったままできる「骨盤まわし」です。歯みがきタイムなど、ちょっとしたスキマ時間でできますよ。フラフープをまわすイメージを持ちましょう。
❶両足を肩幅に開いて立ち、両手は軽く腰にそえる
❷上半身を動かさないようにしつつ、円を描くように腰を4~5回グルグルとまわす
❸反対向きにも同じ回数だけまわす
❹2~3を何回か繰り返す
最後はおうちで過ごすリラックスタイムにおすすめの「ひざ立てひねり」です。寝転がったままでできるので、テレビや動画を見ながらトライしてみてください。
❶両腕を広げた姿勢であお向けに寝て、両足のひざを立てる
❷立てたひざをゆっくりと右側に倒し、同じスピードでもとの姿勢に戻る
❸立てたひざを左側にも倒し、同じスピードでもとの姿勢に戻る
❹2~3を何回か繰り返す
上半身は動かさず、背中を床につけたまま下半身だけを動かすのがポイントです。
便秘解消のために、ストレッチとあわせて行いたいおすすめのセルフケアを紹介します。
朝起きてすぐ水を飲むと腸が刺激されるので、便秘の解消につながります。水分が足りていないとお腹の中で便が硬くなり、排便しづらくなってしまいます。朝だけでなく日中もこまめに水分補給をして、水分不足にならないように心がけましょう。
便秘の改善には食生活の見直しも大切です。腸内環境を整えるために、乳酸菌や食物繊維を積極的にとりましょう。
乳酸菌は、ヨーグルトや納豆などにたくさん含まれています。食物繊維には「水溶性」と「不溶性」があり、水溶性は便をやわらかくする作用、不溶性は腸を刺激する作用があります。水溶性の食物繊維はコンブやワカメ、不溶性食物繊維は大豆やゴボウなどにたくさん含まれています。ただ、不溶性の食物繊維はとりすぎると便が硬くなってしまい、便秘がひどくなることも。とりすぎに注意しながら、腸内環境を整えてくれる食材を選びましょう。おうちの人が献立を考えてくれている場合は、リクエストしてみてくださいね。
毎朝同じ時間に起きて、朝・昼・晩のごはんもなるべく同じ時間帯に食べるようにしましょう。生活リズムを整えることで自然と排便のリズムが生まれ、便秘になりにくいからだを手に入れられます。
生理前や生理中は、ホルモンバランスの影響で便秘になりやすい時期です。いつものことだからといって放置すると、こころとからだにさまざまな不調が出てきやすいので、早めに対策することを心がけましょう。ストレッチで腸を刺激しながら生活リズムや食事にも気をつけて、毎日をスッキリと気持ちよく過ごしてくださいね。
監修:
東京都済生会中央病院 産婦人科 西山紘子先生