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わたしの経血量は正常? 経血が教えてくれるカラダのサイン

自分の経血の状態を思案する様子 自分の経血の状態を思案する様子

周りの友達と比べたりすることがない経血量(生理出血量)。自分は多い方なのか少ない方なのか、気になったことはありませんか? 多い日は失敗してショーツを汚してしまったり、ときどき血のかたまりみたいなものが出てびっくりしたり…。そうかと思えば、急に経血量が少なくなって不安になることもありますよね。生理(月経)の最初と終わりでも異なるように、経血量はいつも同じというわけではありません。また、ときにはその変化が病気のサインになることもあるので、日ごろから経血の状態をチェックして、カラダの変化を見逃さないようにしましょう。

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わたしの経血量って、普通なの?

生理中の女子あるある「経血のお悩み」

量が多い

量が少ない

かたまりが出る

経血の色が茶色い

毎回量が変わる

経血量は個人や状況で違うもの。
毎回多少の変化があるのは普通のこと

自分の経血量は多いのか少ないのか、生理の期間は長いのか短いのか、人と比べることがない分、「自分は大丈夫?」と不安になることもあるでしょう。ちなみに、正常とされる生理の日数は3~7日程度で、1回の経血量は20~140mlといわれています。この数値からもわかるように、生理期間や経血量には大きな個人差があるものです。そのときの体調やホルモンバランスによっても変わるので、あまり神経質にならなくても大丈夫。ただ、1時間もナプキンがもたないほど経血量が多かったり、逆にまったくナプキンを替えなくていいほど少なかったり、いつもとは違う変化がある場合は病気や不調のサインかもしれません。

日常生活に支障があるほど
経血量が多かったら注意が必要

経血量は生理の2~3日目が多く、それから徐々に減っていくのが一般的ですが、これも個人差があります。でも、就寝時に夜用のナプキンを重ねても下着やシーツまで汚してしまう、昼間の時間帯にナプキンが1時間もたたない間に経血であふれてしまうような状態が続く場合は、「月経過多」の可能性があります。


病気ではありませんが、授業中や部活中などにモレていないか気になったり、友達との旅行先で緊張して眠れなかったりと生活に支障をきたすことも。経血が多い場合は、子宮内膜が通常よりも厚い、あるいは子宮そのものが大きくなって子宮内膜の量が増えている疑いがあります。また、年齢と共に経血量が増えるケースは、子宮内膜症などの病気やホルモン分泌の異常が考えられます。

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かたまりが出る場合

経血にレバーみたいなかたまりが出る…。
健康な女性に多い症状のひとつ

経血は、不要になった子宮内膜がはがれ落ち、血液と共に押し出されたもの。カラダの外に排出しやすくするために酵素が子宮内膜を溶かすはたらきをしますが、子宮内膜が厚く、また出血量が多いと酵素の処理が追いつかず、一部が溶けずにかたまったまま排出されることがあります。それがレバーのようなかたまりに見えるのです。

かたまりが出るのは、子宮内膜を成長させる女性ホルモンの分泌量が多いことがおもな原因。頻繁におこる場合は、婦人科系の病気が隠れていることもあります。

経血量が多いときのケア

毎月の生理で経血量が多い人は貧血に注意

経血量が多いということは、それだけ体内の血液が外に出ているということ。貧血になりやすいので注意しましょう。特に、鉄欠乏性貧血[てつけつぼうせいひんけつ]になると、全身に酸素を運ぶヘモグロビンがじゅうぶんにつくられなくなり、カラダがだるく疲れやすい、顔色がすぐれない、耳鳴り、動悸[どうき]や息切れ、めまい、立ちくらみなどの症状につながります。貧血を防ぐには、日ごろから鉄分を多く含むほうれん草や小松菜、レバーを積極的にとるよう心がけて。経血量があまりに多い場合は、婦人科を受診しましょう。低用量ピルで生理を軽くする、止血剤を使うなどの治療ができます。

量が多いときの注意点

ナプキンが1時間ももたない!
夜用でも間に合わない人は
「月経過多」の可能性が

経血量が多いことを「月経過多」といいますが、10代の月経過多はホルモンの異常分泌が原因でおきるので、貧血さえ気をつければ特に心配はありません。ただし、経血が急に増えた、年齢を重ねるごとにだんだん量が増えていったなど、今までと違う症状を感じたときは、一度婦人科を受診することをおすすめします。

経血量が少ない場合

量が極端に少ない人は、
卵巣のはたらきが悪くなっているかも。
まずは規則正しい生活を

ナプキンを替えなくてもいいほど量が少ない人は、ホルモン分泌が減り、卵巣のはたらきが悪くなっていることも考えられます。こうした卵巣機能低下のおもな原因はストレス。規則正しい生活と栄養バランスのとれた食事、じゅうぶんな睡眠や休息をとって、ストレスをためない生活を心がけましょう。


また、気づかないうちに無排卵になっている可能性もあります。「生理が楽になっていいや」と思わずに、できれば1~2周期の基礎体温をつけてみて。無排卵になっているかは経血量だけでは判断しにくいので、体温を測ることでホルモン状態がわかり、婦人科受診の際に役立ちます。ただ、もともと経血量の少ない人や、ピルを服用している人には、このような心配はほとんどありません。

色の変化

鮮やか、または濃い赤の経血は健康の証し。
色の変化も要チェック!

経血の色が薄いピンク色になっている場合は、貧血の可能性があります。これは血液に含まれるヘモグロビンが不足しているからです。また、経血は酸化すると黒っぽく見えます。これは、生理初日や終わりころには経血量が少なくなるため、ゆっくりとカラダの外へ排出されるようになり、空気に触れて酸化することが原因です。経血とおりものが混ざって茶色っぽく見えることもあります。

経血が途中で止まる場合

経血が止まり、再度出るのは
子宮の構造の影響?

生理中に一度、経血が止まってしまい、再び出てくるという人がいます。これは生まれつき子宮が背中側に傾いている「子宮後屈[しきゅうこうくつ]」の人によく見られる症状です。また、子宮の位置が正常でも、子宮の奥や膣[ちつ]にたまっていた経血が、生理の後半になって出てくることもあります。2回生理が来たわけではありません。

まとめ

経血の不安、解消できましたか? 子宮などの臓器や女性ホルモンは目に見ることはできません。それらの不調や異変を伝えてくれるのが経血といってもいいでしょう。経血量や色などを日ごろからチェックすることは、健康管理にとっても大切です。もしも「いつもと違う?」という状態が続いたら、婦人科に相談してみましょう。

監修:

東京都済生会中央病院 産婦人科 西山紘子先生

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