生理中に下痢になりやすい理由はおもに2つ。ホルモンバランスの変化と、内臓や血管の壁にある平滑筋[へいかつきん]という自分の意志では動かせない筋肉の収縮が原因です。
女性のカラダは、生理周期にあわせて、およそ1ヵ月サイクルでホルモンバランスの変動がおこります。女性らしいカラダをつくったり、カラダのリズムに影響を与えたりするのが女性ホルモンの存在。女性ホルモンには卵胞ホルモンと黄体ホルモンの2種類があり、生理前の便秘には黄体ホルモンが影響しています。この黄体ホルモンの分泌量が増えていくのは排卵前後にかけての時期。黄体ホルモンは子宮の収縮を抑えるはたらきがありますが、同時に腸の収縮運動も抑えるため、分泌量が増えることで腸の動きが悪くなってしまいます。生理前に便秘気味になるのは、このことが原因です。
その後、生理が始まると黄体ホルモンの分泌量が減少するため、便秘は解消されます。ところが、平滑筋を収縮させるプロスタグランジンというホルモンが子宮から分泌されるため、子宮の収縮に連動して腸の収縮も大きくなり、今度は逆に生理痛や下痢がおこりやすくなります。また、生理中は精神的に不安定になりやすく、ストレスが下痢の引き金となるケースも少なくありません。