おりものとは、子宮や膣(ちつ)からの分泌物で、古くなった細胞や白血球、細菌などが混じりあった粘性のある液体のこと。量や色、ニオイは個人差が大きく、その人の健康状態や生理周期によっても変わりますが、女性なら誰にでもあるものです。そのため、月ごとに多少おりものの量が変化したからといって、心配しすぎる必要はありません。
おりものは女性のからだの健康状態を判断するバロメーターでもあります。おりものについて理解を深めることで、自身の体調やからだの変化に気づきやすくなるのです。
おりものとは、子宮や膣(ちつ)からの分泌物で、古くなった細胞や白血球、細菌などが混じりあった粘性のある液体のこと。量や色、ニオイは個人差が大きく、その人の健康状態や生理周期によっても変わりますが、女性なら誰にでもあるものです。そのため、月ごとに多少おりものの量が変化したからといって、心配しすぎる必要はありません。
おりものは女性のからだの健康状態を判断するバロメーターでもあります。おりものについて理解を深めることで、自身の体調やからだの変化に気づきやすくなるのです。
おりものには大きく分けてふたつの役割があります。それぞれの役割について、詳しく見ていきましょう。
おりものには「自浄作用」と呼ばれる膣の中をきれいに保つはたらきがあります。おりものに含まれる細菌の力により、膣の中は常に潤いがあり、酸性に近い状態をキープできます。おりものが膣内環境を整えてくれるおかげで、雑菌などが子宮内に侵入するのを防げるのです。
生理と生理の間にあたる「排卵期」には、とろみのあるゼリー状のおりものが分泌されます。この時期のおりものは、精子がスムーズに到達できるように受精の手助けをする重要な役割を担っています。排卵期が近づくとおりものの量や状態がいつもとは異なるため、「おりものが増えたけど大丈夫かな?」と不安に感じる女の子もいるでしょう。でも、それは女性のからだにおこる一般的な現象のひとつなので、あまり心配しないでくださいね。
健康なおりものは、色は白っぽく半透明、状態は少し粘り気があります。ただし、乾くと黄色か褐色になり色味に変化が出ます。ニオイはほとんど気になりませんが、人によっては少し甘酸っぱいニオイがすることも。量は「1日下着を替えなくても気にならない」という程度であれば、正常の範囲といえます。ただし、おりものの量や状態は個人差が大きいので、日頃から自分のおりものをよく観察しておくことが大切です。
例えば、生理日管理アプリ「ソフィガール」なら、生理日の入力だけでなく、体調記録としておりものがあったかどうか、その日のおりものの量も記録できます。どんなときにおりものが分泌されるのか、生理周期とあわせて自分のおりものの特徴や変化を把握しやすくなりますよ。
アプリを使えば次の生理がわかる!
生理周期によってからだやこころの状態がわかるようになるから、生理日をチェックするのは大切なこと。自分の生理周期を知っておくと、いろいろ準備ができるから安心!
おりものは生理周期によって、次のように量や状態が変化します。
【生理終了直後(卵胞期前半)】
少し茶色がかっていて、量は少ない。状態はさらっとしている。
【生理終了後(卵胞期後半)〜排卵期】
透明からやや淡黄色がかった色に変化。量は徐々に増えていく。
【排卵期】
1ヵ月の中で最もおりものの量が多くなる。状態はトロッとした卵白のよう。
【排卵期〜生理日(黄体期)】
徐々に量が減っていき、粘性とニオイが強くなる。色は白く濁るように変化。
このように、おりものが生理周期によって変化すること、また自分のおりものが1ヵ月を通してどう変化するのかを知っておくことは、自身の健康を管理するうえでとても重要です。自分のからだの変化を正しく知るためにも、普段からおりものの様子をチェックするクセをつけましょう。
おりものは生理周期だけでなく、体調によっても色や量が変わります。次のようなおりものが見られたときは、ひとりで不安を抱えこまずに、まずは身近な人に相談してみましょう。
排卵期に透明でたまごの白身のようなおりものが出るのは問題ありませんが、排卵期以外にも常に水っぽいおりものが大量に出る場合は、クラミジア感染の可能性があります。このほかにも、おりものの量が増え、発熱や下腹部の痛みをともなう場合は、子宮付属器炎、骨盤内腹膜炎の疑いもあります。
黄体期や生理前にドロッとした粘り気のあるおりものが出るのは正常ですが、黄色や黄緑色に見える膿(うみ)のようなおりものが出たり、外陰部にかゆみをともなったりする場合は、体の免疫力が弱り、膣内に雑菌が繁殖して膣炎を起こしている場合や、子宮付属器炎、骨盤内腹膜炎などの感染症の疑いもありえます。
ぼろぼろとした酒カス・ヨーグルト状のおりものが出て、膣内部や外陰部にかゆみをともなう場合は、カンジダ膣炎によりカビが寄生している可能性が高いです。強いかゆみがあると不安に感じると思いますが、カンジダ菌は健康な人でも持っている常在菌のひとつ。ちょっとした体調不良により発症しやすい病気です。症状が強く出ていて不安な方は、婦人科を受診しましょう。
おりものが茶褐色や赤っぽい色をしているときは、おりものに血が混じっているケースが多く見られます。このような場合、性行為などによってすりむけた性器の血液が混じっている可能性が高いのですが、ニオイがきつい場合はほかの病気も考えられます。なるべく早めに婦人科を受診しましょう。また、ストレスが原因で赤っぽい色味を帯びた、ニオイのするおりものが出ることもあります。
おりものはからだからのサイン。おりものへの理解を深めることは女性にとってとても大切なことです。普段からおりものをチェックするクセをつけて、自分の体調やからだの変化と上手に付き合っていきましょう。
おりもので「下着が汚れるのが気になる」という人は、ソフィから出ている「Kiyora」「ふわごごこち」「はだおもいライナー」などのおりものシートを使ってみてください。おりものの量が多いときも下着汚れを気にせずに快適に過ごすことができますよ。
監修:
東京都済生会中央病院 産婦人科 西山紘子先生