原因は酸素不足！　生理中の貧血を解消する治療法

貧血とは、血液中にある赤血球の成分であるヘモグロビンが少なくなった状態のこと。原因によっていくつかの種類にわけられますが、一番多い貧血は、ヘモグロビンの材料となる鉄分が不足しておこる、鉄欠乏性貧血です。

女性の貧血の約70％は、この鉄欠乏性貧血といわれており、いわゆる「貧血」という場合はこのタイプを指すことが多いでしょう。ほかに、正常な血液がつくれなくなってしまう再生不良性貧血[さいせいふりょうせいひんけつ]、交通事故などによる大量出血が原因の出血性貧血[しゅっけつせいひんけつ]、高齢者などにみられる、ビタミンB12や葉酸が不足しておこる悪性貧血[あくせいひんけつ]、赤血球自体が破壊されることが原因の溶血性貧血[ようけつせいひんけつ]などがあります。

赤血球は血液の大切な成分で、カラダのすみずみまで酸素を運び、不要となった二酸化炭素を肺に持ち帰るという役割を担っています。そのため「鉄欠乏性貧血」による鉄分不足で赤血球がつくれなくなると、カラダが酸素不足状態になり、さまざまなカラダの不調を引きおこすばかりか、顔色が悪くなり、抜け毛や枝毛の増加、肌が乾燥するなど、美容面にも悪影響をおよぼします。

通学途中や朝礼などの最中に、めまいや立ちくらみがして倒れそうになったことはありませんか。これらの症状は、鉄欠乏性貧血と思われがちですが、実は「脳貧血[のうひんけつ]」です。脳貧血は、ヘモグロビン量とは関係なく、脳への血流量が一時的に減ることからおこります。

脳貧血は「起立性低血圧[きりつせいていけつあつ]」からくる症状のひとつで、長時間立ち続けたり、急に立ち上がったりしたときに、一時的に血圧が下がることでおこります。または、自律神経の乱れが影響することもあります。脳貧血がおきたら、脳に血流を行き渡らせることが大事です。学校の保健室などで横になり、衣服をゆるめ足を高くすると、徐々に回復します。