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こころの変化~思春期・反抗期~

思春期の子供と親とホルモンバランスの関係について 思春期の子供と親とホルモンバランスの関係について

女の子は女性ホルモンの影響で10歳くらいからからだが変わり始めます。いわゆる第二次性徴というもので、女の子はより女性らしいからだつきとなり、それに伴っておうちの方に対する態度や行動にも変化が訪れます。この期間を思春期といいます。

始まる時期や程度は個人差がありますが、だいたい小学校中学年から中学生の間くらいでしょうか。自分自身に対してだけではなく、家族や友達といった自分を取り巻くものに対していろいろと考えて悩みをもち始めます。そして、思春期と同じ時期に訪れるのが反抗期です。こころの成長に伴い、反抗期には特に家族に対して反抗的な態度をとるようになります。

思春期特有のこころの変化を理解して、お子さまの精神が不安定な状態になっても慌てることなく、大人へのこころの成長の証として余裕をもって受け入れましょう。

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思春期はなぜ起こるの?

思春期のお子さまの成長は人それぞれ。 思春期のお子さまの成長は人それぞれ。

一般的に、思春期の始まりは第二次性徴と同時期であるといわれています。

この時期は身長が伸び、胸がふくらみ、からだ全体が女性らしく丸みを帯びてきますが、からだの変化とこころの変化が同じスピードで進むとは限りません。思春期は、こうしたからだの変化に自分のこころがついていかないことに戸惑い、そのフラストレーションを周囲にぶつけるなど情緒が不安定になることもあります。また、自分のことを客観的に見るようになり、自分自身の価値観を確立し始めます。それまではおうちの方と似ていた価値観が少しずつ変わり始め、自分らしさとはどういうことか、おうちの方とのすれ違いをどう受け止めたらいいのかについて悩み始める時期でもあります。

思春期とはどういうもの?

自分という人間を少しずつ確立し始める思春期には、「大好きなお父さん、お母さんと一緒にいるのになぜかイライラしてしまう」「子ども扱いされるとムカムカする」など、それまでには感じたことがなかった変化が起こります。またそれに対して、なぜそんなふうに思ってしまうのか自分でもわからずに悩み、こころが不安定な状態になります。

こころとからだの成長とともに出てくる戸惑いや悩みに、十分な答えを出すための知識や思考が未熟なため、いら立ちを感じるのかもしれません。

例えば…こんなこと

個々の価値観ができてくる時期です。 個々の価値観ができてくる時期です。

こころのモヤモヤがなぜなのかわからない時期でもあります。 こころのモヤモヤがなぜなのかわからない時期でもあります。

反抗期との違い

反抗期は、こころの成長によりそれまでと違う自分を認識することで、おうちの方や大人に対して反抗的な態度をとる時期です。現れ方は人それぞれですが、俗にイヤイヤ期と呼ばれる第一次反抗期は2歳ごろに始まるのに対して、第二次反抗期は10歳前後で始まることが多いようです。

思春期はからだの変化によってストレスを感じ、ときにそれを周囲にぶつけてしまう時期。その思春期と第二次反抗期の時期が重なるため、この頃の反抗はより激しいものになりがちです。

さまざまな変化がストレスにもなりがちです。 さまざまな変化がストレスにもなりがちです。

10歳は“はじめ年齢”!

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反抗期がある子とない子がいるのはなぜ?

お子さまを信じ、どんと構えて受け入れましょう。 お子さまを信じ、どんと構えて受け入れましょう。

それまで同じだったお子さまとおうちの方の価値観が、からだとこころの成長により少しずつズレていくのが思春期です。そして、自分ではコントロールできない戸惑いやいら立ちが反抗的な態度として表面化し、反抗期へとつながります。

なかにはその価値観のズレが小さく、お子さまがおうちの方に反抗する理由がないまま成長する場合があります。ほかにも、お互いが同じ目標に向かっているなどの共通意識がある場合や、反抗する気持ちを自分でうまく消化できる場合に、反抗期が見られないこともあります。

逆に、親を恐れていたり、信頼が十分でないために反抗することができないというケースもあります。親子の仲が悪いから反抗期がある、親子が仲良しだから反抗期がないという単純なものではありません。さまざまな要因により起こることなので、反抗期の有無を気にするのではなく、お子さまがどのように自分自身を表現しようとしているのかに目を向けましょう。

反抗期はいつからいつまであるの?

女の子は小学校中学年の10歳くらい、男の子は小学校高学年の11~12歳くらいから高校を卒業する18歳くらいまでが第二次反抗期といわれています。ただし、反抗期はお子さまもおうちの方も気づかないうちに進行し、始まりも終わりもとてもあいまいなものです。個人差が大きいので、あくまでも目安と考えてください。

思春期・反抗期における女の子と男の子の違いは?

女の子に顕著なこと

男の子に顕著なこと

・からだの大きな変化に戸惑う

・友達関係を意識して悩むようになる

・相手によって態度を変える

・言葉や態度が暴力的になる

・物を投げたり壊したりする

・異性を意識して性的な興味をもつ

共通

・他人の目を気にするようになる

・挨拶や返事をはじめ、言葉数が少なくなる

・自立心が芽生える

上記の例は、外から見たときにわかりやすい傾向をまとめたものです。女の子も暴力的になったり、男の子もからだの変化に戸惑ったりしますが、それを表に出すことは比較的少ないようです。ただし、どのように表現されるかは男女差ではなく、個人差や環境の違いが影響します。お子さまがどのような状態にあるかをよく観察してみてください。

自分の子ども時代はどうだった? 「異性への意識」

好きな人ができることは他の人にも興味が持てるということ。ステキなことですね。 好きな人ができることは他の人にも興味が持てるということ。ステキなことですね。

思春期には自分自身を客観的に見る視点が生まれてきて、自分が他人からどんなふうに見られているかが気になるようになります。もちろん、異性からの目も気になり、性に興味もわいてきて、「かわいくなりたい」「もっとキレイになりたい」と思い始めることもあります。今まで何とも思っていなかった男の子を意識するようになったり、好きな男の子ができたり……。

おうちの方にはなかなか話をしないかもしれませんが、何か相談をされたときには、自分の体験談を交えながら話をするといいでしょう。 異性を意識することは自然なことであり恥ずかしいことではないこと、ただ、男の子と女の子ではからだもこころも違うことを理解してもらえるように説明してください。

おうちの方へのポイント!

お子さまは、どんどん変わっていくからだにこころが追いつかずに戸惑っています。自分というものを少しずつ確立していく大切な時期なので、あたたかく見守りましょう。

気分や態度が不安定で対応に困ることがあるかもしれませんが、それは大人へと成長している証拠です。大きなこころで受け止められる余裕をもちましょう。

監修:

NPO法人ハートフルコミュニケーション 代表理事 菅原裕子さん

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